副会長 森下 忠幸 ご紹介いただきました森下でございます。皆さん、明けましておめでとうございます。日本廃棄物団体連合会平成15年賀詞交歓会の開会に際し、主催者を代表いたしまして一言ごあいさつ申し上げます。
 年初めのお忙しい中を、皆様にはようこそお越しくださいました。廃棄物に関係いたします16団体の代表者、関係者、ここに一堂に会しまして、新年を寿ぐことができましたことは、誠に喜ばしい限りでございます。昨年は内外ともにいろいろなことがございまして、今年も先が読みにくいのではないかと思われておりますが、月並みないいかたですけれども、今年の干支(えと)が未(ひつじ)ということでありますので、昨年の馬に代わって、どうか羊のように穏やかな年であってほしいと思っております。
 
 本日の賀詞交歓会には、監督官庁であります環境省から、お忙しい中を大臣官房官房長の松本様をはじめといたしまして、廃棄物・リサイクル対策部長の飯島様、同対策部企画課長の竹内様、廃棄物対策課長の竹本様、産業廃棄物課長の森谷様ほか多数の幹部の方にお出ましをいただいております。後ほど、ご紹介させていただきますけれども、ご来臨をあつく御礼申し上げます。
 また、廃棄物に関連いたします学会あるいは学識経験者といたしまして、東京大学名誉教授の藤田先生、岡山大学教授の田中先生、北海道大学教授の眞柄先生、静岡県立大学教授の横田先生、元玉川大学教授の鍋島先生、あとでお越しになると思いますけれども、国立環境研究所の酒井先生、まだお見えになっておりませんけれども、NPO法人環境文明21の加藤三郎先生、そして元川崎市助役の工藤庄八先生にもおいでいただいています。毎年おいでいただいております都立大学名誉教授の平山先生は、少しお加減が悪いということでご欠席でございますが、「皆様にどうぞよろしく」とのことでございました。まことにありがとうございます。心から御礼申し上げますと共に、これからのひとときを楽しく和やかに過ごしていただきたいと思っております。
 
 さて、廃棄物問題を含めました環境保全に関する国、なかんずく環境省のご方針につきましては、後ほど、幹部の方々からお聞かせいただけると思いますが、日本廃棄物団体連合会、日廃連の立場で、私から少し雑感を述べさせていただきたいと思っております。
 どの分野でもそうでございますけれども、21世紀に入って3年目の2003年、つまり平成15年。この年は、政治、経済、社会、外交、万般にわたりましていろいろな問題が積もり積もってしまって限界になっておりますので、これを打開するなり突破するなり、これが大いに求められている年ではないかと私は思っております。
 私どもが関係いたしますこの分野では、今年は国におかれましても、循環型社会形成推進基本計画を前倒しして、3月にはご発表なさるということでございますし、これができますと、私ども、特に業界では「第何次施設整備計画」ということで今までずっと仕事をして参ったわけでございますので、こういう計画で誘導していただくということはたいへんありがたいことだと思っております。
 また、制度改正につながるものでありましょうけれども、昨年11月に中央環境審議会、中環審から「今後の廃棄物・リサイクル対策の在り方について」という意見が具申されておりますが、これに沿った作業がこれから実施されることになりましょう。いろいろな動きが具体化される中で、環境省をはじめ関係の皆さんにはたいへんなご苦労があると思いますけれども、どうぞ良い方向にお導きいただきたいと思っております。
 
 次に、国の予算について一言、私の所感を申し上げます。昨年11月29日に、平成15年度予算編成の基本方針が示され、重点的に推進すべき項目の中に「循環型社会の構築など環境問題への対応」というものが掲げられまして、「これは予算がたいへん伸びるのだな」ということで、素人ながらたいへんな関心を持っておりました。
 ところが、12月25日に閣議決定されました政府の予算原案では、公共投資がマイナス3.7パーセントというものに対しまして、廃棄物処理施設整備関係では環境省分がマイナス8.1パーセント、他の省府分を合わせますとマイナス12パーセントという、今まで例を見ないようなマイナスでありましてたいへんびっくりいたしました。
 しかし、われわれなりに内容を点検いたしまして、ご当局に聞きますと、「これは、昨年の12月から排出基準が厳しくなったダイオキシン対策のための改造工事などの費用が大幅に減少したということであって、全体の額としては平成11年度以前の通常ベースに戻っているのだから、そう心配するな」ということですので安堵しているわけでございます。
 むしろ、いろいろご苦心されまして、汚泥再生処理センターに設置致します汚泥助燃材製造設備というもの、あるいは埋立処分場の埋め立て物を掘り上げて、これをまた処理いたしまして、埋め立て物の容積を減らすことによって全体として処分場の効率を上げようという「減量化等施設」が新たな補助対象になるということも伺っておりますので、内容的にはたいへん進展があったものと思っております。
 
 また、浄化槽整備事業につきましては予算が1.3倍にも増えておりますし、産業廃棄物処理施設整備費関係は何と4.4倍にも増えているということで、これは需要が増大しているものに対して積極的に対応された環境省のご努力、財政当局のご理解、これを大いに評価しなくてはならないと思いますが、加えてそれぞれの関係団体も、それぞれのお立場、それぞれのチャンネルでいろいろな要望活動もなさっておられ、これが功を奏したものと思っております。
 更に特筆すべきことといたしまして、これもお役所のほうでお話があると思いますけれども、非公共事業ということで、産廃の不法投棄の原状回復関係の補助金が2億円から32億円に増えましたのも注目すべきことでございます。
 
 そのほか、税制改正に関しましては私どももいろいろな立場で要望を申し上げ、収穫がありましたが、特に一般廃棄物の処理について、これをPFIでやろうという事業者に対しましては、国税、地方税それぞれについて減免措置がなされるということでありますので、これもまたありがたく思っております。併せまして、補正予算も今閣議決定を見ておりますので、これからの通常国会でできるだけ早期の成立をお願いしたいと思っております。
 
 さて、われわれ日廃連メンバー、16団体ございますが、この団体はそれぞれ廃棄物の適正処理こそ環境保全の基本であるということを信条としてこれまでずっと行動して参りました。日廃連の構成団体の業務は、申すまでもなく、一般廃棄物、産業廃棄物、浄化槽に関しますあらゆる分野に及んでおります。事業につきましては計画策定、相談、指導。廃棄物そのものについては収集、輸送、処理、処分。浄化槽を含めた処理・処分施設の計画、設計、施工、運転、維持管理。これらにかかわる技術につきましては、研究開発とか技術者の養成訓練、事業実施のための技術的・財政的な支援と万般に及んでいるわけでございます。
 昨年も申しましたけれども、廃棄物・リサイクル対策あるいは浄化槽につきましては、これらを巡りまして、それぞれの団体の有機的な連携が、年と共に重要になって参ります。また今後、廃棄物・リサイクル対策制度が改善あるいは強化されるにつきまして、その必要性はますます増大するものと思っております。
 今後とも、われわれ日廃連メンバーは手を携えまして、わが国の環境保全のために全力を挙げて参る所存でございます。環境省をはじめ、ご関係の皆様の温かいご指導とご支援をお願いいたしたいと思っています。
 
 最後になりますが、日廃連関係各団体のご発展、並びにご参集の皆様のご健勝をお祈りして、新年賀詞交歓会の開会のごあいさつと致します。ありがとうございました。

(平成15年1月9日 於:東海大学校友会館)

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